ホラ吹き太郎からの手紙【新たなる挑戦編】


拝啓 初夏の候、皆様におかれましては益々ご清祥の事とお慶び申し上げます。
 北部九州も梅雨入りしました。しばらくは、長雨と仲良く付き合う事と致しましょう。「この雨が、穀物や自然に豊かな実りを授けてくれる。」そう考えると、雨もまた愛しく思えます。災害にならない程度に、雨も楽しめたらなと思います。

 宮若市発足記念事業・市民ミュージカル『朱(あか)き燃え石』も無事に終わりました。大成功でした!! 実行委員会が立ち上がって1年。企画の構想から2年の月日を要しました。長いようでアッという間だった気もします。感慨深いものがあります。成功の要因は、出演者の方が熱意を持って稽古に参加した事。保護者の方々の理解があった事。行政の皆様が身を粉にして企画に邁進努力された事。実行委員会の皆様とボランティアスタッフの皆様のチームワークが素晴らしかった事。そして何よりも、全員が公演の成功へ向けて同じ方向を向いて進んだ事です。
 十ヶ月前は、顔も名前もほとんどが知らないもの同士でした。でも、千秋楽の緞帳が降りる頃には、みんなが仲間になってました。物事を作り上げる醍醐味はここにあります。人間の素晴らしさはここにあります。まだまだ世の中には、瑞々しい可能性が溢れています。
 最終公演を終えて、すぐに会場内のバラシ(片付け)を始めていた私の耳に、お客様をお見送りした出演者の皆さんの号泣がロビーから響いてきました。胸が熱くなりました。行政の方から、「どうか、子供達に声をかけてやって下さい。」と頼まれましたが、丁寧にお断りしました。何故なら、泣きじゃくっている出演者の前で言葉を発したなら、私の方がさらに号泣しそうだったからです。最近は、本当に涙もろくなりました。気丈に振る舞いながら片付けを続けていると、再び行政の方が「出演者を客席に集合させますから、どうか慰労の言葉を…。」もうお断りする訳にはいきませんでした。泣きじゃくりながら子供達が、客席に集まってきます。どの子も今まで張り詰めていた緊張の糸が解き放たれたのと困難を乗り越えて達成した喜びで顔がグチャグチャです。でも、とても美しい顔をしていました。私は、「ありがとう! お疲れさま! 最高だったよ!!」と一人一人を抱き締めたいのを我慢し、可能な限り平常心を保ちながら話をさせて頂きました。
 涙を我慢したのには訳があります。格好を付けたのではありません。この公演を一人一人のゴールにしたくなかったからです。この過酷な十ヶ月間を見事に乗り越えた皆さんを笑顔で迎えたかったからです。一緒に泣けるのも素晴らしい。だけど、餞(はなむけ)に涙はいらない。その餞は、皆さんの新しい挑戦へのエールでした。これからも演劇を続ける人、違う道へ戻る人、新しい自分を探す人。新しく歩み出す道は違っても、誰もが勇気ある一歩を踏み出して欲しい。この公演に参加した時以上の勇気を持って生きて欲しいとの、私の勝手な願いでした。人は、温かい方が良い。ごく当たり前の事を、宮若市の皆様から教えて頂きました。心から感謝と御礼を申し上げます。また音響さん、照明さん、舞台監督さんのプロの皆様にも最大級の御礼を申し上げます。お見事な仕事ぶりでした。感服しました!
 そして手前味噌ながら、ドリームカンパニーの仲間たちにも、心から御礼を言いたいです。劇団員にとっても長い十ヶ月でした。「ありがとうございました! 皆さん!!」

 さぁ! 次の仕事です!
 今月は、テレビの特別番組を制作します。と言っても出演の方です。大恩ある方からの依頼なので、全力投球です。しかも、ロケ地が吉野ヶ里歴史公園です。頑張らない訳にはいきません。クレーン車両を使ったり、空撮したりとかなり本格的です。番組のメインリポーターの金星麗奈は、八丈島へ熊本へ吉野ヶ里へと飛び回ってます。番組の詳細は、後日お知らせしますね。お楽しみに!

 先日、私の目標にしている兄に会いました。兄と言っても親戚の兄なのですが、私が子供の頃から本当にお世話になっている人物です。幼い頃は、その兄が帰省するのを待ち望んでいたものでした。現在、兄は一部上場企業の社長の要職にあります。兄と私は、丁度ひと回り違いのトラ年生まれです。その兄からはいろんな事を学ばせてもらってます。説教地味たことは何もありませんが、適切に助言をもらえます。
 先日、初めて兄と兄のお仲間の社長さんとご一緒させていただく機会に恵まれました。日本経済の先頭集団の雰囲気を直に感じられました。私の人生にとって忘れられない記憶の一夜になりました。とにかく集団のトップにある方のご苦労は並々ならぬものがあると肌身に感じました。そして人と人の繋がりの大切さを再認識した夜でした。兄達からご指導いただいた経営のノウハウ、目先の事、中期的な戦略、長期的な戦略、バランスをよく鑑みながら努力精進していきたいと思います。まずは、素敵な仲間がいる事に感謝です。

 さて、今月中には12月公演の脚本を書き上げたいと願ってます。もちろん、私がやれば良いだけの事です。月日が経つのは、本当に早いものですね。あと半年後は、博多座公演です。もう、待ったなしですね! 何事も後悔しない様に、己を叱咤するのみです。そう言えば、事務所に青色の紫陽花の鉢植えを買ってきて飾ってます。花には癒されます。いつも心に太陽と潤いの気持ちを持ち続けたいものです。それでは、梅雨空に負けないで、晴々と輝く太陽のように頑張って参りましょう!
 皆様も、どうかお身体にはお気を付け下さいね。
さぁ、新しいチャンスに挑戦です! 運命を切り開くのは、自分自身ですからね。
 今月も、全力疾走だぁー! オ−ッ!!

《今月の一句》
    紫陽花の 生きる力に パワー得る
    子供らの 流す涙よ  いと愛し

  2006年 6月

劇団ドリームカンパニー      
代表 
徳 満 亮 一